きのう台湾総統選挙があり、民進党の賴清德氏が第16期総統に当選しました。
わたしが台湾に住みはじめてから、初めての総統選。
2期務めた現総統の蔡英文氏(民進党)は、今年の5月で任期満了。
新しい総統が誰になるのか、ドキドキしながら見守っていました。
*いつもと違って、文字だらけの記事になってます。
2024総統選 関連情報
今回の総統選の候補者は3組。投票番号順に、
- 台灣民眾黨(民衆党) 総統 柯文哲氏 ※前台北市長/副総統 吳欣盈氏
- 民主進步黨(民進党) 総統 賴清德氏 ※現副総裁 /副総統 蕭美琴氏
- 中國國民黨(国民党) 総統 侯友宜氏 ※現新北市長/副総統 趙少康氏
事前の世論調査では民進党が一歩リードしていたものの、圧倒的に強いというほどではなかった。
ふたを開けてみると、上位から順に得票率が<民進党約40%/国民党約33%/民衆党約26%>
第3党の民衆党が粘って、票が割れた印象です。
なにはともあれ来期も引き続き民進党政権となりました。
台湾の有権者数は約1,955万人で、今回の投票率は71.86%
後述の「投票所は戸籍地 期日前投票はなし」で触れていますが、台湾の選挙システムでこの投票率は、本当にすごい。
選挙関連の詳しい記事がいろいろと出ているので、そちらのリンクを貼っておきます。
総統選や中国との関係などについて、押さえておきたい基本的なこと
各候補者の人物像
選挙結果詳細と各国の反応
台湾の選挙戦で意外だったこと
・総統選の選挙戦、長い
おそらく1年くらいやっていた。
立候補の届け出は、2023年の11月後半。
ただそれ以前の期間も選挙活動は問題ないようで、それまでのあいだに、国民党と民衆党は手を組むのかとか、誰を副総統に据えるのかとか、いろいろなドラマあり。
ケーブルテレビのニュースチャンネルも、数ヶ月前から毎日ある時間帯が選挙用番組に変わり、これはさすがに見飽きた。
ただラスト1週間はお祭りのような雰囲気で、なんだか楽しくなりました。
また、長い選挙戦を闘ってきた候補者全員にいつの間にか親近感が湧いており、お疲れさまでしたという気持ちでいっぱいです。
・現役の市長が立候補
国民党の候氏は、2022年の選挙で新北市長に再選し、2期めの現役市長ながら総統選に立候補。市長職を休職し、選挙戦に挑んでいた。
ちなみに新北「市」ですが、日本の都道府県レベル。そして台湾で1番人口の多い都市。わたしも新北市に住んでいる。
選挙戦のあいだ新北市はなんだか放っておかれている感じだったので、候氏には改めて市長職に勤しんでいただきたいです。
・候補者以外も全力
選挙が近づいてきてから目立ったのが、候補者が参加する大規模集会やパレードとは別に、街頭のあちこちで投票を呼びかける各政党支持者。
候補者は不在で、1人から十数人ほどのグループで活動している。
たまたまかもしれないけれど、とくに民衆党をよく見かけた。
それと子どもたちもちょくちょく参加してました。
・有権者にものを配る
台湾の選挙では、基準の範囲内であればものを配って良いらしい。
わたしが体験したのは前回の統一地方選挙のときで、マンションのお祭りに参加した際、地区の各候補者がいろいろとちょっとしたものをくれた。湿布・石鹸・アルコール除菌スプレー‥
ちなみに今回の選挙では、どこかの地区でジェルボールの洗剤を配ったら、お年寄りがキャンディ(水飴的な?)と間違えて食べてしまった、というニュースを見かけました。
・投票所は戸籍地 期日前投票はなし
日本のように現住所の地域で投票するのではなく、戸籍のある地域になる。(台湾には、住民票のようなものはない。そして戸籍の住所は、引っ越すたびに変えるようなものではないらしい)
期日前投票もないので、戸籍地が遠方の場合、投票日に投票のためにはるばる新幹線などで移動したりする。
そして海外在住の場合、選挙権があれば投票できるけれど、投票するにはやっぱり戸籍地の投票所に行かなければならないので、わざわざ帰国することになる。
このシステムだと物理的に投票できない人も一定数いるだろうし、もうちょっと良い方法はないものか、と思ったのですが。このシステムには悪い面だけではなく、帰郷・帰国することでの経済効果もあるし、家族や友人と集まったりお祭り的な側面もあるとのことでした。
それでも高い投票率を保てるから、すごいなぁと思います。
さいごに
台湾での選挙は、日本国籍のわたしには選挙権がないので、眺めるのみ。
それでも台湾の政治は興味深い。
それは、直接選挙で総統を選べることはもちろん、
台湾特有の状況だったり、現総統が女性の蔡英文氏だったり、若い議員や親しみやすい議員をテレビでよく見かけたりすることも関係しているのかもしれない。
(それにしても、台湾の議員はやたら歌っている気がする)
今回の総統選では誰が当選していたとしても、これからの台湾生活に何かしら変化があるんだろうと思います。
これからもドキドキしながら見守っていきます。
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